三度目の殺人は実話?是枝裕和監督のオリジナル脚本|袴田事件との関連は否定

映画『三度目の殺人』の判定は「実話ではない」です。是枝裕和監督が弁護士・検事への長期取材をもとに書き上げた完全オリジナル脚本の法廷サスペンスです。

ネット上では袴田事件など実在の冤罪事件との関連が指摘されていますが、監督自身は特定の事件をモデルにしたとは語っていません。

この記事では、実話ではないと判定できる根拠を整理し、なぜ「実話」と誤解されるのかについても詳しく検証します。

三度目の殺人は実話?結論

判定
実話ではない
根拠ランク
B(一次発言)
元ネタの種類
なし
脚色度
確認日
2026年4月

『三度目の殺人』は特定の実話に基づいた映画ではありません。配給ギャガの公式サイトでは「是枝裕和監督オリジナル脚本」と明記されており、実話や実在事件への言及はありません。監督自身も複数のインタビューで、弁護士や検事に1年以上取材して書き上げたオリジナル作品であると語っています。判定は「実話ではない」です。

本記事は公開されている情報をもとに編集部が独自に検証したものです。新たな情報が確認された場合、内容を更新することがあります。

なぜそう判定できるのか【根拠ランクB】

本作が実話ではないと判定できる根拠は、公式情報と監督本人の複数の一次発言に基づいています。根拠ランクはB(一次発言)です。

まず、配給を担当したギャガの公式サイトおよび東宝の配給情報では、本作を「是枝裕和監督オリジナル脚本」と明記しています。実話や実在事件に基づくという記載は一切ありません。これは最も信頼度の高い公式ソースであり、本作がフィクションであることを裏付ける重要な根拠です。

次に、映画ナタリー(2017年)のインタビューで、是枝監督は「何が真実かわからない法廷劇を撮ろうと思った」と語っています。1年以上にわたり弁護士や検事への取材を重ね、模擬裁判まで実施した上で脚本を執筆したと説明していますが、特定の事件をモデルにしたという発言はありません。

さらに、リアルサウンド(2017年9月)のインタビューでは「ドキュメンタリーを撮っている感覚だった」と語り、司法制度のリアリティを追求したオリジナル作品であることを説明しています。この発言は撮影手法についてのものであり、実話に基づくという意味ではありません。

映画.comのインタビューでも、是枝監督は「最初から『三度目の殺人』というタイトルを決め、脚本は撮影中に何度も改稿した」と述べています。原案が実在事件である旨の言及はなく、ゼロから構想したオリジナル脚本であることが一貫して語られています。

実話ではないと考えられる理由

公式情報・監督発言・作品クレジットのいずれにおいても、実話との接点は確認されていません。以下の3点から、本作はフィクションと判断できます。

第一に、本作は是枝裕和監督による完全オリジナル脚本です。是枝監督は『そして父になる』『万引き家族』など多くのオリジナル作品を手がけてきた映画作家であり、本作も同様にゼロから構想された作品です。「実話に基づく」の表記は一切なく、映画クレジットにもそのような記載は存在しません。

第二に、監督自身が複数のインタビューで制作の経緯を詳細に語っていますが、その中で特定の実在事件をモデルにしたという趣旨の発言は一度もありません。取材対象はあくまで弁護士・検事といった法曹関係者であり、特定の事件の関係者への取材ではありません。

第三に、作品の登場人物はすべて架空の人物です。弁護士・重盛朋章(福山雅治)、殺人容疑者・三隅高司(役所広司)、裁判官・山中(橋爪功)など、実在の人物をモデルにしたという情報は確認されていません。事件の舞台設定も特定の実在事件を再現したものではありません。

ではなぜ「実話」と誤解されるのか

リアルな法廷描写と冤罪・死刑制度というテーマが複合的に重なり、「実話では?」という誤解を生んでいると考えられます。

第一に、本作の法廷描写が非常にリアルである点です。是枝監督は1年以上にわたり弁護士・検事への取材と模擬裁判を重ねており、接見室でのやり取りや法廷シーンには実務に基づいたリアリティがあります。このリアリティが「実際の事件を描いているのでは」という印象を与えていると考えられます。

第二に、袴田事件など実在の冤罪事件との類似性を指摘する声がネット上に存在します。死刑囚が無実を主張する構図や、供述が二転三転する展開が、実際の冤罪事件を連想させるためです。ただし、監督や制作側がこれらの事件との関連を認めた事実はありません。

第三に、是枝監督の「ドキュメンタリーを撮っている感覚だった」という発言が、実話ベースの作品であるかのように文脈を離れて受け取られている可能性があります。この発言は撮影手法や演出のアプローチについて語ったものであり、題材が実話であることを意味するものではありません。

第四に、「人は人を裁けるのか」という社会派のテーマが、実話に基づく重厚な作品と結びつきやすいことも一因です。是枝監督が社会的なテーマを扱う作家として知られていることも、実話との関連を推測される背景になっています。

加えて、本作が第74回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に出品され、日本アカデミー賞で最優秀作品賞を含む6冠を達成したことも注目度を高めました。作品への関心が高まるほど「元ネタは何か」を調べる視聴者が増え、結果として実話説が広まりやすくなっています。

モデル説・元ネタ説の有無

ネット上にはいくつかのモデル説が存在しますが、いずれも公式には未確認です。

最も多く見られるのは、袴田事件との関連を指摘する説です。1966年に静岡県で発生した強盗殺人事件で逮捕・死刑判決を受けた袴田巖氏が、長年にわたり無実を訴え続けたこの事件は、映画と同様に「真実とは何か」を問いかけるテーマを含んでいます。

しかし、袴田事件は強盗殺人事件であり、本作の三隅が過去に殺人で服役した前科を持ち再び殺人容疑で逮捕されるという設定とは構造が大きく異なります。映画の核心は「真実がわからない中で人を裁くことの意味」にあり、冤罪を訴える構図とは異なるアプローチです。

また、日本の司法制度における冤罪問題全般がモデルではないかという見方もあります。是枝監督が取材で弁護士や検事から聞いた複数のエピソードが脚本に反映されている可能性はありますが、特定の事件や人物をモデルにしたわけではありません。あくまで司法制度の構造的な問題を描いたオリジナルのフィクション作品と位置づけるのが妥当です。

さらに、三隅の「供述を何度も変える」という行動が実在の事件を想起させるという指摘もあります。しかし、これは是枝監督が法廷取材を通じて構想したフィクション上の設定であり、特定事件の被告人をモデルにしたという公式情報は存在しません。

この作品を見るには【配信情報】

『三度目の殺人』は複数の主要サービスで視聴できます。

配信状況(2026年4月確認)

  • Amazon Prime Video:レンタル・購入
  • U-NEXT:見放題配信中
  • DMM TV:レンタル
  • Netflix:見放題配信中

※配信状況は変更される場合があります。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。

三度目の殺人【映画ノベライズ】(是枝裕和・佐野晶/宝島社文庫)

まとめ

判定は「実話ではない」、根拠ランクはB(一次発言)です。

是枝裕和監督の完全オリジナル脚本による法廷サスペンスであり、特定の実在事件に基づいた映画ではありません。

リアルな法廷描写や冤罪・死刑制度というテーマから、袴田事件など実在の事件がモデルではないかという推測がネット上に見られます。しかし、監督自身は特定事件との関連を語っておらず、公式にも「オリジナル脚本」と明記されています。

今後、監督や制作陣から新たな発言があれば、本記事の内容を更新いたします。

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