映画『そして、バトンは渡された』の判定は「実話ではない」です。瀬尾まいこによるフィクション小説が原作であり、実在の出来事に基づくという公式情報は存在しません。
本屋大賞を受賞したベストセラー小説の映画化作品ですが、リアルな家族描写から「実話では?」と誤解されることがあります。
この記事では、実話ではないと判定できる根拠を整理し、なぜ実話と誤解されるのか、モデル説の有無についても詳しく検証します。
そして、バトンは渡されたは実話?結論
- 判定
- 実話ではない
- 根拠ランク
- C(原作・記録)
- 元ネタの種類
- なし
- 脚色度
- ―
- 確認日
- 2026年4月
『そして、バトンは渡された』は、瀬尾まいこが2018年に発表したフィクション小説を原作とする2021年公開の映画です。原作・映画ともに実話の根拠は確認不可であり、公開情報では実在の出来事との接点はありません。血のつながらない親の間をリレーされ、名字が4回変わった少女の物語は、作者の創作によるものです。判定は「実話ではない」です。
本記事は公開されている情報をもとに編集部が独自に検証したものです。新たな情報が確認された場合、内容を更新することがあります。
なぜそう判定できるのか【根拠ランクC】
原作がフィクション小説であり、映画にも実話に基づくという表記がないため、根拠ランクはC(原作・記録)と判定しています。
原作は瀬尾まいこの長編小説『そして、バトンは渡された』(文藝春秋・2018年刊行)です。この作品は2019年に第16回本屋大賞を受賞し、累計発行部数は100万部を超えるベストセラーとなりました。瀬尾まいこは元中学校教員の小説家であり、『あと少し、もう少し』『そして、バトンは渡された』など家族や人間関係をテーマにしたフィクション作品を多数発表しています。
本作は、血のつながらない親たちの間を渡り歩く少女・森宮優子の成長と家族の絆を描いた完全な創作作品です。作中には「実在の人物・団体とは関係ありません」という趣旨の記載があり、原作の段階でフィクションであることが明確にされています。
ワーナー・ブラザース映画の公式サイトにも「実話に基づく」という表記は一切ありません。映画は前田哲監督、橋本裕志脚本により、原作小説を映画化した作品として制作されています。公式の作品紹介ページでも、原作小説の映画化であることのみが記載されており、実在の出来事との関連は一切示されていません。
実話ではないと考えられる理由
原作・映画クレジット・登場人物のいずれにおいても、実話との接点なしと判断できます。
まず、原作者の瀬尾まいこは本作について、実在の人物や出来事を元にしたという発言をしていません。「理想の父親像を書きたかった」という趣旨のインタビュー発言が確認されており、創作の動機は作者自身の想像力によるものです。瀬尾はまた、森宮さん(義父)というキャラクターは「自分にとっての理想の親像」を投影して書いたとも語っています。
主人公の森宮優子、義父の森宮壮介、梨花といった登場人物はすべて架空の人物です。名字が4回変わるという特徴的な設定や、卒業式でピアノを弾くというエピソードも、特定の実在人物の経歴を反映したものではありません。
映画のクレジットにも「Based on a true story」に相当する表記はなく、「原作:瀬尾まいこ」とのみ記載されています。配給元のワーナー・ブラザース映画の公式資料にも、実話との関連を示す記述は確認されていません。映画の宣伝においても「本屋大賞受賞作の映画化」という点が前面に打ち出されており、実話性を匂わせる表現は使われていませんでした。
ではなぜ「実話」と誤解されるのか
リアルな家族描写と現代的な社会テーマの取り込みが複合的に重なり、「実話では?」という誤解を生んでいると考えられます。
第一に、ステップファミリー(再婚家庭)というテーマが非常に現実的である点です。日本では3組に1組が離婚するとも言われ、再婚や連れ子のいる家庭は珍しくありません。作品が描く「血のつながらない親子の絆」は、多くの読者・観客にとって身近な問題であり、「実際にこういう家族がいるのでは」という印象を与えやすいテーマです。
第二に、作品の舞台や生活描写が非常にリアルな点です。義父の森宮さんが毎朝お弁当を作るシーンや、優子の学校生活の描写など、日常の何気ない場面が丁寧に描かれています。こうしたリアリティの高い生活描写が「実話に基づいているのでは」という連想を生んでいると考えられます。
第三に、本屋大賞受賞という話題性から原作小説が広く読まれたことも一因です。100万部を超えるベストセラーとなった結果、多くの読者が深く感動し、「こんなに泣ける話は実話に違いない」という心理が働きやすくなっています。感動的な家族ドラマは実話ベースの作品と結びつけられやすい傾向があり、SNSでも「実話だと思って泣いた」という投稿が散見されます。
第四に、映画化の際に永野芽郁・田中圭・石原さとみという人気俳優がキャスティングされ、作品の注目度がさらに高まりました。2021年10月の映画公開前後にはSNS上で「実話なの?」「モデルがいるの?」という投稿が多数見られ、こうした口コミが誤解を拡散させる要因となっています。
第五に、映画の監督を務めた前田哲は、過去に実話ベースの映画『こんな夜更けにバナナかよ』を監督しています。そのため、「前田哲監督の作品だから今回も実話では?」という連想が働いた可能性も考えられます。ただし、本作については実話との関連は一切確認されていません。
モデル説・元ネタ説の有無
ネット上に具体的なモデル説は確認されていません。
本作については、特定の実在人物や実際の家族をモデルにしたという説はほとんど見られません。原作者の瀬尾まいこが元中学校教員であることから、教え子やその家庭環境から着想を得たのではという推測がネット上に存在しますが、これを裏付ける公式な情報は確認されていません。
瀬尾は「自分が読みたい家族の物語」を書いたという趣旨の発言をしており、特定の実在モデルの存在には否定的です。作家としての想像力と、日常で見聞きした家族の姿を総合的に組み合わせた創作と考えるのが妥当です。
また、作中で優子が複数の親の間を渡り歩くという設定についても、特定の実在ケースとの一致は指摘されていません。ネット上では「養子縁組の実体験がモデルでは」という声も散見されますが、瀬尾本人や出版元の文藝春秋からそうした情報は発信されておらず、裏付けのない推測にとどまっており、信頼できる情報源では確認されていません。
なお、本作のテーマである「ステップファミリー」を扱った映画やドラマは他にも多数存在しますが、それらとの直接的な関連も確認されていません。本作はあくまで瀬尾まいこの独自の創作として位置づけられる作品です。
この作品を見るには【配信情報】
『そして、バトンは渡された』は複数の主要サービスで視聴可能です。
配信状況(2026年4月時点)
- Amazon Prime Video:レンタル・購入で視聴可
- U-NEXT:見放題配信中
- DMM TV:見放題配信中
- Netflix:見放題配信中
※配信状況は変更される場合があります。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
まとめ
判定は「実話ではない」、根拠ランクはC(原作・記録)です。
原作は瀬尾まいこによるフィクション小説であり、映画にも「実話に基づく」という表記はありません。特定の実在人物や出来事をモデルにしたという公式情報も確認されていません。
ステップファミリーというリアルなテーマと丁寧な日常描写が「実話では?」という誤解を生んでいますが、物語そのものは瀬尾まいこの創作です。今後、原作者や制作陣から新たな発言があれば、本記事の内容を更新いたします。

