IT/イットは実話?スティーヴン・キングの小説が原作|ゲイシーのモデル説は否定

映画『IT/イット』の判定は「実話ではない」です。スティーヴン・キングのホラー小説が原作であり、実在の事件をもとにした作品ではありません。

殺人道化師「ペニーワイズ」のモデルとしてジョン・ウェイン・ゲイシーの名が挙がることがありますが、キング本人はこの説を認めていません。

この記事では、実話ではないと判定できる根拠を整理し、なぜ実話と誤解されるのか、モデル説の真偽についても検証します。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。は実話?結論

判定
実話ではない
根拠ランク
C(原作・記録)
元ネタの種類
なし
脚色度
確認日
2026年4月

映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』は、スティーヴン・キングが1986年に発表したホラー小説を2017年に映画化した作品です。原作は完全なフィクションであり、映画にも「実話に基づく」という表記はありません。殺人道化師「ペニーワイズ」にはモデル説がありますが、公式に確認された元ネタは存在しません。

本記事は公開されている情報をもとに編集部が独自に検証したものです。新たな情報が確認された場合、内容を更新することがあります。

なぜそう判定できるのか【根拠ランクC】

本作が実話に基づかないと判定できる根拠は、原作小説と公式の制作情報から明確に確認できます。

原作は1986年発表のホラー小説であり、スティーヴン・キングによる完全な創作です。物語の舞台である「デリー」はメイン州の架空の町であり、超自然的な存在「IT」が子どもたちを襲うというストーリーは現実の事件に基づいていません。キングはホラーやサスペンスを中心に活動する小説家であり、『IT』もキングの創作として位置づけられています。

2017年の映画版は、アルゼンチン出身のアンディ・ムスキエティ監督がこの原作小説を映画化したものです。映画のクレジットや配給資料においても「Based on a true story(実話に基づく)」という表記は一切ありません。制作陣からも、実話や実在の事件との関連について公式に言及された事実は確認されていません。

なお、『IT』の映像化は2017年が初めてではなく、1990年にもテレビミニシリーズとして映像化されています。しかし、1990年版・2017年版のいずれにおいても実話との関連を示す公式情報は確認されていません

以上から、原作・映画ともに実話との接点を示す公式情報は存在しないと判断し、根拠ランクをC(原作・記録から確認)としています。

実話ではないと考えられる理由

原作・映画クレジット・舞台設定のいずれにおいても、実話との接点は確認されていません

まず、原作小説はスティーヴン・キングによる創作です。キング自身がインスピレーションの源として語っているのは、ノルウェーの民話「三匹のやぎのがらがらどん」です。橋の下に住むトロールが旅人を脅かすこの物語から着想を得て、「橋を町全体に広げたらどうなるか」と考えたのが『IT』の出発点だったとキングは語っています。

物語の舞台である「デリー(Derry)」は架空の町です。メイン州に設定されていますが、実在する同名の町とは無関係であり、キングが複数の作品で使用する架空世界の一部です。キングが長年暮らすメイン州バンゴーの地理的特徴が参考にされているとされますが、作中の事件が実際に起きたわけではありません。

また、作品に登場する「ペニーワイズ」は超自然的な存在として描かれています。数百年にわたって27年周期で子どもを襲うという設定は、現実の事件とは明らかに異なるフィクションの要素です。映画でもこの超自然的な設定はそのまま踏襲されています。

ではなぜ「実話」と誤解されるのか

リアルな描写・実在の社会問題・類似する実在の人物の存在が複合的に重なり、「実話では?」という誤解を生んでいます。

第一に、児童失踪や暴力の描写が生々しい点です。作品冒頭で描かれる子どもの失踪シーンや、町ぐるみで問題を見て見ぬふりをする構図は、現実の社会問題を想起させます。実在の地名を下敷きにした舞台設定も、フィクションと現実の境界を曖昧にしている要因です。

第二に、殺人道化師「ペニーワイズ」が実在の連続殺人犯ジョン・ウェイン・ゲイシーを連想させることです。ゲイシーは道化師の扮装で知られた人物であり、「殺人道化師」というモチーフの一致から本作との関連が噂されてきました。この点については次のセクションで詳しく検証します。

第三に、いじめ・児童虐待・差別といった現実の社会問題が作品内で緻密に描かれていることです。主人公たち「ルーザーズ・クラブ」の子どもたちが直面する家庭内暴力や学校でのいじめは、フィクションでありながらリアルな質感を持っています。

第四に、キングの他の作品には実話ベースのものも存在するため、「キング作品=実話かもしれない」という先入観が生まれやすいことも一因と考えられます。実際には作品ごとに実話との関連は異なり、本作についてはフィクションであることが明確です。

加えて、2017年の映画版が世界興行収入7億ドルを超える大ヒットとなり、多くの観客が作品に触れたことも影響しています。話題性の高さからSNSで「これって実話?」という投稿が拡散され、実話説が広まる土壌が形成されました。

モデル説・元ネタ説の有無

ネット上にはモデル説が存在しますが、いずれも公式には未確認です。

最も広く知られているのは、ペニーワイズのモデルがジョン・ウェイン・ゲイシーであるという説です。ゲイシーは1972年から1978年にかけて33人を殺害した連続殺人犯で、「ポゴ・ザ・クラウン」の名で道化師に扮して慈善活動を行っていたことで知られています。

ゲイシーの逮捕(1978年)はキングが『IT』の構想を始めた時期と重なるため、インスピレーション源ではないかと推測されてきました。しかし、キング本人はゲイシーとの関連について一度も言及しておらず、公式に確認された事実ではありません。

キングが実際にインスピレーション源として公言しているのは、前述の民話「三匹のやぎのがらがらどん」に登場する橋の下のトロールです。1978年に橋を渡っていた際にこの物語を思い出し、「橋を町全体に、トロールを子どもが最も恐れる存在に変えたらどうか」と着想したと語っています。

ペニーワイズの外見については、キングはロナルド・マクドナルドを参考にしたと明かしています。「子どもが最も怖がるものは何か」と考えた結果、「道化師」にたどり着いたとキングは語っており、子どもに親しまれるキャラクターを恐怖の象徴に転換するという発想から生まれたキャラクターです。

また、架空の町デリーのモデルについては、キングが長年居住するメイン州バンゴーが下敷きになっているとされています。バンゴーの地理的特徴や町の雰囲気がデリーに反映されていますが、作中で描かれる児童失踪事件が実際にバンゴーで起きた事実はありません。デリーはキングの他の作品にも登場する架空の町であり、『IT』に限った設定ではありません。

この作品を見るには【配信情報】

配信状況(2026年4月時点)

  • Amazon Prime Video:レンタル・購入で配信中
  • U-NEXT:見放題配信中
  • DMM TV:要確認
  • Netflix:要確認

※配信状況は変更される場合があります。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。

まとめ

判定は「実話ではない」、根拠ランクはC(原作・記録から確認)です。

本作はスティーヴン・キングによるフィクション小説が原作であり、映画にも「実話に基づく」という表記はありません。ペニーワイズのモデルとしてジョン・ウェイン・ゲイシーの名が挙がることがありますが、キング本人が認めた事実ではなく、実際のインスピレーション源は民話とロナルド・マクドナルドです。

リアルな児童失踪の描写や「殺人道化師」というモチーフが実在の事件を連想させますが、物語そのものはキングの創作です。今後、原作者や制作陣から新たな発言があれば、本記事の内容を更新いたします。

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