映画『アンダー・ユア・ベッド』の判定は「実話ではない」です。大石圭のホラー小説が原作であり、物語自体は完全なフィクションです。
ただし原作者の妻の実体験が小説の着想のきっかけとなっており、「原作は実話だった」という報道が誤解を広げています。
この記事では、実話ではないと判定できる根拠を整理し、なぜ「実話」と誤解されるのか、モデル説の有無についても検証します。
アンダー・ユア・ベッドは実話?結論
- 判定
- 実話ではない
- 根拠ランク
- B(一次発言)
- 元ネタの種類
- なし
- 脚色度
- ―
- 確認日
- 2026年4月
映画『アンダー・ユア・ベッド』は大石圭の同名ホラー小説を原作とした作品です。原作者が妻の実体験を着想のきっかけにしたと語っていますが、ストーリー自体は完全な創作です。
配給元KADOKAWAの公式サイトにも「実話」「実在の事件」等の表記はなく、判定は「実話ではない」です。
本記事は公開情報・一次発言を優先し、俗説は区別して記載しています。
なぜそう判定できるのか【根拠ランクB】
本作が実話ではないと判定できる根拠は、公式情報と原作者本人の発言から確認できます。根拠ランクBは原作者の一次発言によるもので、その発言が示しているのは着想にすぎないという事実です。
まず、配給元KADOKAWAの公式サイトには本作が「実話に基づく」「実在の事件を描いた」といった表記は一切ありません。大石圭のホラー小説が原作であると明記されています。
次に、原作者・大石圭本人の発言があります。カドブン掲載のインタビューで、大石は妻が一人暮らし時代にアパートの大家の息子に合鍵で部屋に入られていた体験が小説の着想のきっかけだったと語っています。ただし「体験がきっかけになった」という意味であり、物語そのものが実話だとは述べていません。
さらに、korepo.com掲載の大石圭×SABU監督のインタビューでも同様の説明がなされています。記事の見出しに「原作は実話だった」とありますが、内容を読めば着想のきっかけが妻の実体験であるという趣旨であることがわかります。
また、Wikipediaの「アンダー・ユア・ベッド」の記事にも、本作が実話に基づくという記述は見当たりません。以上のとおり、公式・一次発言・百科事典的資料のいずれも、本作が実話であるとは述べていません。
実話ではないと考えられる理由
本作が実話ではないと考えられる理由は複数あり、原作の位置づけ・物語の内容・着想元との違いのいずれからもフィクション作品であることが確認できます。
第一に、原作小説は角川ホラー文庫から2001年に刊行されたフィクション作品です。大石圭が角川ホラー文庫からの依頼を受けて執筆した小説であり、ジャンルとしてもホラーに分類されています。KADOKAWAの書籍情報ページでも本作はフィクション作品として扱われており、実在の事件や人物を描いたノンフィクションやルポルタージュではありません。
第二に、物語の主人公は30年以上にわたり他者から名前を呼ばれなかった孤独な男という極めて象徴的な設定です。大学の講義中にたった一度だけ名前を呼んでくれた女性に執着するという筋書きも、フィクションとしての人物造形であり、実在の人物をモデルにしたものではありません。
第三に、着想のきっかけとなった妻の体験と小説のストーリーには大きな隔たりがあります。妻の体験は「大家の息子が合鍵で部屋に入っていた」という出来事ですが、小説ではかつて名前を呼んでくれた女性を見つけ出しその生活を見守るという物語に展開しています。体験はあくまで出発点にすぎません。
第四に、2019年の日本映画版(監督:安里麻里、主演:高良健吾)および2023年の韓国版(監督:SABU)のいずれにおいても、「Based on a true story」に相当する表記は確認されていません。映画のクレジット上も、原作は大石圭の小説として記載されています。
ではなぜ「実話」と誤解されるのか
本作が「実話」と誤解される背景には複数の要因がありますが、最大の原因はインタビュー記事の見出しの一人歩きです。
2023年の韓国版公開に合わせて公開されたインタビュー記事で、「原作は実話だった」という見出しが使われました。記事本文を読めば「着想のきっかけが妻の実体験だった」という趣旨ですが、見出しだけを見た読者は作品全体が実話であると受け取りやすい表現になっています。
第二に、原作者が妻の体験を複数のインタビューで公に語っていることです。大石圭は妻が一人暮らし時代に不法侵入の被害に遭った体験を明かしており、「実体験がもとになった」と語ることで作品全体が実話であるかのような印象を与えています。
第三に、作品のテーマ自体がリアルな社会問題を扱っている点です。ストーカー行為やDVといった現実にも起こりうる題材を扱っているため、「実際にあった事件では?」と連想されやすい構造があります。映画の映像表現もリアリティを重視した演出がなされており、フィクションと現実の境界が曖昧に感じられやすい作品です。
第四に、日本版(2019年)と韓国版(2023年)の2度にわたる映画化も影響しています。韓国版はSABU監督が手がけ、2024年5月31日に日本でも劇場公開されました。公開のたびに「実話か?」という関心が再燃し、SNSやネット検索を通じて誤解が広がる要因となっています。
モデル説・元ネタ説の有無
本作に関して、特定の事件や人物をモデルにしたという説は公式には未確認です。
前述のとおり、原作者・大石圭の妻が一人暮らし時代に経験した被害が着想のきっかけとなっています。帰宅するたびに物の配置が変わる・下着がなくなる・アルバムから写真が抜かれるといった被害があり、警察に訴えても当初は対応してもらえなかったといいます。妻が「絶対に誰かが入っている」と主張し続けた結果、調査の末にアパートの大家の息子が合鍵を持っていたことが判明しました。
ただし、この体験はあくまで小説のきっかけであり、小説のストーリーや登場人物は大石圭の創作です。特定の刑事事件や実在の人物をモデルにしたという情報は公式にも報道にも確認されていません。
ネット上では「実在のストーカー事件がモデル」という推測も見られますが、これらは公式に裏付けのない俗説です。原作者が語っているのはあくまで妻の個人的な体験であり、報道された特定の刑事事件との結びつきを示す根拠は存在しません。
なお、2019年の日本版映画は安里麻里が監督し高良健吾が主演を務めました。2023年の韓国版映画はSABU監督・イ・ジフン主演で制作されています。いずれの映画版においても、実在の事件や人物に基づくという公式発表は行われていません。
この作品を見るには【配信情報】
配信状況(2026年4月確認)
- Amazon Prime Video:レンタル配信あり
- U-NEXT:見放題配信中
- DMM TV:要確認
- Netflix:要確認
※配信状況は変更される場合があります。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
まとめ
判定は「実話ではない」、根拠ランクはB(一次発言)です。
原作は大石圭のホラー小説であり、配給元KADOKAWAの公式サイトにも「実話に基づく」という記載はありません。
原作者の妻の実体験が着想のきっかけになっていますが、物語自体は完全なフィクションです。「原作は実話だった」というインタビュー記事の見出しが一人歩きし、作品全体が実話であるかのような誤解が広まっているのが現状です。
「着想のきっかけが実体験」であることと「作品が実話」であることは、まったく別の意味です。本作はあくまで大石圭の想像力から生まれたフィクション作品として鑑賞するのが正確な理解といえます。
今後、原作者や制作陣から新たな発言があれば、本記事の内容を更新いたします。

